上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。
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【個人所得税】中国国外で得た所得の申告と納税について

中国法人から中国国外の企業に派遣されたり、中国国内の居住者個人で中国国外に資産がありその資産を運用しているなど、中国国内の居住者が中国国外で所得を得ることが日常的になってきたものと感じています。そこで今回は、上海市税務総局による中国国内の居住者個人が中国国外で所得を得た場合の申告や納税について解説を紹介いたします。
目次:
1.中国国外を源泉とする所得の種類
2.中国国内源泉所得との合算の要否
3.中国の外国税額控除について
4. 外国税額控除を利用する際の添付資料
1.中国国外を源泉とする所得の種類
財政部および税務総局による「国外所得に関する個人所得税の政策に関する」公告(財政部税務総局公告2020年第3号)によると、当該規定の対象となる中国国外所得は個人所得税の課税対象です。当該規定による中国国外を源泉とする所得の種類は、以下の通りです。
(1) 中国国外で就労、雇用、契約履行などの役務を提供したことにより得た所得。
(2) 中国国外企業およびその他の組織が支払い、かつ負担する原稿料による所得(印税収入)。
(3) 中国国外での使用を許可することで得た各種特許ライセンスによる所得。
(4) 中国国外で従事する生産または事業活動から得られた所得で、それらの生産または事業活動に関連する所得。
(5) 中国国外企業、その他の組織および非居住者個人から得た利息、配当による所得。
(6) 中国国外で使用する目的で賃借人に財産を貸し出すことにより得た所得。
(7) 中国国外の不動産の譲渡、中国国外企業およびその他の組織への投資により形成された株式、持分およびその他の持分資産(以下、持分資産)の譲渡、または中国国外におけるその他の財産の譲渡により得た所得。ただし、中国国外企業やその他の組織への投資により形成された持分資産の譲渡について、持分資産の譲渡前の3年間(連続する暦月36カ月間)のいずれかの時点で、投資先企業またはその他の組織の資産の公正市場価値の50%以上が中国国内の不動産から直接または間接的に生じている場合、その所得は中国国内を源泉とする所得となります。
(8) 中国国外の企業、その他の組織および非居住者個人が支払い、かつ負担する一時所得。
(9) 財政部、税務総局が別途規定を定めている場合は、関連規定に従って実施する。
根拠規定:財政部および税務総局による「国外所得に関する個人所得税の政策に関する」公告(財政部税務総局公告2020年第3号) 第一条
2.中国国内源泉所得との合算の要否
中国国外源泉所得のうち、所得の種類によっては中国国内で申告が必要です。中国国内で申告が必要な所得に該当する場合、居住者個人は、「個人所得税法」およびその実施条例の規定に基づき、中国国内および中国国外で得た当期の所得に対して納税額を計算する必要があります。
(1)居住者個人が中国国外を源泉とする総合所得は、中国国内の総合所得と合算して納税額を計算する必要がある。
(2)居住者個人が得た中国国外を源泉とする事業所得は、中国国内の事業所得と合算して納税額を計算する必要がある。居住者個人が得た中国国外を源泉とする事業所得は、「個人所得税法」及びその実施条例の関連規定に基づき損失を計算し、当該居住者の国内または他国(地域)における課税所得と相殺してはならない。ただし、中国税法の規定にもとづき、同一の国(地域)を源泉とする以降年度の事業所得と相殺することはできる。
(3) 居住者個人が得た中国国外を源泉とする利息、配当所得、財産の賃貸による所得、財産の譲渡による所得および一時所得(以下「その他の分類所得」という)は、国内所得と合算せず、個別に計算して納税額を決定する必要がある。
根拠規定:財政部および税務総局による「国外所得に関する個人所得税の政策に関する」公告(財政部税務総局公告2020年第3号) 第二条
3.中国の外国税額控除について
居住者個人が一課税年度内で中国国外を源泉とする所得を得て、その所得の源泉とする国(地域)の税法の規定に従い所得税を納税している場合、控除限度額の範囲内でその課税年度の納税額から控除できます。控除限度額の計算式は以下の通りです。
(1) ある国(地域)を源泉とする総合所得に対する控除限度額=中国内外の総合所得に対して本公告第二条に基づき計算された総合所得の納税額×その国(地域)を源泉とする総合所得の収入額÷中国内外の総合所得の収入額
(2)ある国(地域)を源泉とする事業所得に対する控除限度額=中国内外の事業所得に対し本公告第二条に基づき計算された事業所得の納税額×その国(地域)を源泉とする事業所得の課税所得÷中国内外の事業所得の課税所得総額
(3) ある国(地域)のその他の分類所得に係る控除限度額=その国(地域)のその他の分類所得に係る税額で、本公告第二条に基づき計算した納税額
(4) ある国(地域)を源泉とする所得に対する控除限度額=その国(地域)を源泉とする総合所得に対する控除限度額+その国(地域)を源泉とする事業所得に対する控除限度額+その国(地域)を源泉とするその他の分類所得に対する控除限度額
根拠規定:財政部および税務総局による「国外所得に関する個人所得税の政策に関する」公告(財政部税務総局公告2020年第3号) 第三条
4. 外国税額控除を利用する際の添付資料
居住者個人が外国税額控除を申告する場合、特に規定がない限り、その税額に係る年分の国外の税務当局が発行する「納税証明書」、「納税領収書」または「納税記録」などを提出する必要があります。提出された納税証明書が要件を満たさない場合、税額控除は認められません。
納税者が「納税証明書」を提出できない場合、外国所得の確定申告書(または外国の税務当局が確認した納税通知書)および対応する銀行支払証明書を使用して、外国所得の税額控除を申請することもできます。
根拠規定:財政部および税務総局による「国外所得に関する個人所得税の政策に関する」公告(財政部税務総局公告2020年第3号) 第十条
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